真珠腫性中耳炎・中耳真珠腫(2)

 中耳は耳管(じかん)という「くだ」で鼻と交通しています(右図1)。 呼吸によって鼻から入った空気の一部は耳管を通って中耳に循環します。 この空気によって、鼓膜の外側と内側(中耳)は同じ気圧が保たれ、両側から同じ気圧で押されることによって鼓膜は「ピン」と張った状態に保たれます。
 ところが、鼻炎などの病気のために鼻がつまっていたり、何らかの原因で耳管の通りが悪くなっていると 中耳への空気の入りが悪くなります。 そうすると鼓膜の内側(中耳)の空気圧不足が起こり、外の気圧によって鼓膜が押され、内側に引っ込み始めます。 この状態が長く続くと、鼓膜の表面の特に構造が弱い部位が強く引っ込んできます(右図2)。

 図1

  図2

 さて、この時点でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、このようにして引っ込んだ鼓膜は 前のページと同じように袋を形成します。鼓膜の表面も「上皮」ですから、皮膚と同じように垢が出ます。 これが袋に溜まって、内側に向かって大きくなったものが中耳の真珠腫というわけです。 先天性の真珠腫は、同じようなことがお母さんのお腹の中にいる胎児のときに起こった・・とか、 胎児がだんだん人間の形らしくなって行く過程で、鼓膜の表面にあるべき上皮が、中耳に誤って取り残されたり して形成されるもの・・と考えられています。

では、真珠腫と病院で診断された場合にはどうしたら良いのでしょうか? 次のページに治療や対処法の考え方を述べたいと思います。右のボタンをクリックしてお進み下さい。

真珠腫の治療・取り扱い


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