「耳がつまった感じ」を呈する病気



 聞こえが悪いというほどではないけれど、何か「山の上に登ったような感じ」「トンネルの中に入ったような感じ」などと表現される、「耳の閉塞した感じ」を訴えて受診する方がいらっしゃいます。実際に耳垢(みみあか)がつまっていることもありますが、検査をしてみると意外に聴力が低下していることもあります。日常生活でよく使う音(人の声など)の周波数からはずれた周波数の音の聞こえが悪くなっていると、ご本人の感じとしては、「聞こえにくい」というより「耳がつまった感じになる」という訴えになります。

1)耳垢(みみあか):徐々にたまって「耳のつまった感じ」を生じることがあります。
2)中耳炎:滲出性・慢性穿孔性・真珠腫性など様々な中耳炎があります。
3)外耳道炎:耳の中の皮膚が炎症を起こし腫れるため、外耳道が少し狭くなって症状を呈します。
4)加齢による難聴:年齢に伴う内耳機能の低下で起こります。30代からすでに始まると言われています。
5)急性音響障害:ロックコンサート会場など大きな音を近くで聞いた後に生じます。
6)低音障害型感音難聴:低音部だけの感音難聴です。疾患のページに解説があります。
7)突発性難聴:
急に発症する内耳性の難聴です。程度が軽ければ、難聴よりは耳のつまった感じになります。

 などですが、この他にも、考えなくてはならない疾患や病態がいくつもあります。 軽い症状なので、大丈夫だと思っていたら意外と長引き、病院へいったら神経から来た症状で、受診が遅くなったので治らなくなってしまった方もいらっしゃいました。早めに医療機関への受診をおすすめいたします。