アレルギー性鼻炎

 アレルギー反応とは、体内に入りこんだ物質に対して 体の防御システムが過剰に反応し、何らかの症状を呈するものです。防御システムが反応するかしないか、あるいは 反応する場合の反応の強さは、個人によってまったく異なります。体内に入り過剰反応を呼び起こす物質を総称して 「抗原(こうげん)」と呼びますが、抗原となり得るものは、植物の花粉・ほこり・動物の毛・食べ物・金属など様々です。 体内への進入経路も、鼻や口からの呼吸によって、食事によって、皮膚の接触によって・・など様々です。  
何かを鼻から吸引して アレルギー反応によって、鼻炎を生じた場合に「アレルギー性鼻炎」という呼び方をします。 アレルギー性鼻炎の場合、抗原は主に呼吸によって侵入し、鼻の粘膜で過剰反応を起こします。 症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが3大症状ですが、のどや皮膚のかゆみが出ることもあります。 また、時として「いらいら感」「頭痛」など得体の知れない症状が出現することもあります。
 抗原が植物の花粉の場合は俗に「花粉症」という呼び方をします。 花粉症は眼の結膜でもアレルギー反応を起こし、眼のかゆみなどの症状を出すことが多いです。


アレルギーの抗原は採血検査によって調べることはできます。原因がわかれば、それを避けて予防することはできますが、原因によって内服薬の内容が変わることはあまりありません。アレルギー採血検査にかかる医療費は比較的高額なため、患者がそれを知ることで明らかに治療に有益である場合に、患者の意志(同意)のもと施行することをお勧めします。当クリニックでは、検査の持つ意味やそれによる患者の利益などをきちんと説明し、患者の希望・同意があるときのみ採血検査を行っています。

アレルギー性鼻炎は「治す」ものではなく「管理する」ものである 
アレルギー反応を起こすかどうかは、個人の体質によります。 なので完治してしまうことは、なかなかありません。 治そうとするよりも、上手にコントロールして症状とつきあって行こう・・と割り切って考えた方が良いと思います。 「いったいいつ治るのだ?」と考えるときりがなく心理的に辛くなってゆきます。原因の体内への侵入をできるだけ減らす努力と薬によるコントロールが治療の中心になります。減感作(げんかんさ)療法といって、抗原に対する体の反応を徐々に弱めてゆく治療もありますが、時間が非常にかかり、また、 治療を行なえば100%治るというものでもありません。最近では施行している施設の方が少なくなっています。
 薬も様々な種類がありますし、薬と患者の相性もあると思います。 同じ症状で同じ薬を使用しても、この人には効くのに、こちらの人には今ひとつ・・ということがあります。 医師と相談して、効果が一番高く、眠気などの副作用が少ない薬の組み合わせを見つける努力をすることが治療の第一歩だと思います。

   また、薬の使用だけでなく生活の中の工夫も、症状緩和のためには必要です。 花粉などのように原因となるものが明らかで空中に舞っている場合には、 外出の際、帽子やマスクやめがねを着用し、なるべく抗原が体内に入らないようにします。 外出から戻ったら、できるだけ着ていたコートや服を玄関で脱ぎ、 付着している「眼に見えない抗原」を家の中に持ち込まない ようにすることも必要です。

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体内に抗原が入らないように
防御することも大切です。
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